奴隷だ。
 お前達は全て奴隷だ。
 この世に生きる全ての人間は金持ちの奴隷なのだ。

 法律も、文化も、歴史も、娯楽も、会社も、経済も、恋愛も、思想も、医療も、戦争も、家族も、教育も、喜びも、悲しみも、この世の全ては金持ちによって作られている。
 貧乏人――国民共は皆、金持ちの為に毎日洗脳され働いているだけの無知な奴隷に過ぎない。
 活かされず殺されず、少しばかりの快楽を与えらて死ぬまで労働させられる。貧乏人は何も気づかない。貧乏人は無知蒙昧の牢に繋がれ決して金持ちにはなれない。

 それが国家だ。
 そのための憲法、法律、だ。
 貧乏人は皆、思い違いをしている――この世は自分の為にあるのだと、国民が主人公なのだ、と。
 だが、それは全くの思い違いだ。
 人間が豚や家畜を飼うのと同じように、金持ちは貧乏人を飼っているのだ。
 豚や家畜は何も疑問に思わない。エサを与えられ日常を管理され働き続ける。やがて死ぬ時――殺される前に気付くのだ。

自分は家畜だったんだと――


人類は殺し合って来た――
金を求めて、豊かな生活を求めて、平和を求めて――

アメリカ、イタリア、イスラエル、その他海外の国々を飛び回る。
自由の女神、ホワイトハウス、岩のドーム、生墳墓教会、嘆きの壁、
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂、アウシュヴィッツ……
歴史と真実、ビジネスに金儲け、凌辱と支配、限り無き欲望の日々。
善と悪をも超えた金の世界、金だけが真実となる富豪達の遊戯の世界。
その果てに待ち受けるものとは――

マルチエンディング・ストーリー。